30年超のロングセラーも! 長年愛されるヘッドホン6選 – 古田雄介の家電トレンド通信 | ニコニコニュース
「完全ワイヤレスイヤホン、売れ筋は4万円前後の上位モデル」に続き、今回はイヤホン専門店のe☆イヤホン秋葉原店 本館に、長年売れ続けている定番人気のヘッドホンを尋ねました。同一型番のロングセラーに加え、コンセプトを受け継ぎなら世代を重ねる人気シリーズも対象としています。
同店スタッフの東谷圭人氏は「用途ごとにド定番といえるロングセラーがあります。多くのリピーターを生んでいるだけに、そこまで高級路線のものではなく、数万円クラスに落ち着く印象です」といいます。
長年ヘッドホンの売れ筋を見てきた目から6選をチョイスしてもらいました。下記の「ロングセラーヘッドホン 3つの傾向」を踏まえて追っていきましょう。
○<ロングセラーヘッドホン 3つの傾向>
価格帯は1万円台後半から、高価でも5万円台に収まる範囲が中心。
ロングセラー品は30年超のものも存在、ロングセラーになるほど購入する年代は広がる。
音楽制作や観賞用、DJ、ファッションツールなど用途ごとに定番が存在する。
※本文と写真で掲載している価格は、取材した2024年2月6日11:30時点のe☆イヤホンWeb本店価格のものです。本店とは異なる場合があり、日々変動もしているので、参考程度に見てください。
6選:特にNCが評判の総合王者「WH-1000XM」シリーズ
最初に挙げたのは、ソニーの「WH-1000XM」シリーズでした。最新モデルは2022年5月発売の「WH-1000XM5」ですが、2020年9月発売の前世代モデル「WH-1000XM4」も安定した人気があるそうです。取材時の価格は順に53,460円、39,190円でした。
「2016年10月発売の『MDR-1000X』から続く、ソニーのワイヤレスヘッドホンのフラッグシップシリーズですね。同社の技術を集結した製品で、音もNCも本当にハイレベルです。最新のXM5は形状が大きく変わったこともあって、前のXM4を好む人もいまして、シリーズ全体で人気があります」
6選:ファッションアイテムとしての存在感も大きい「Major IV」
ワイヤレスタイプでは、マーシャルの「Major」シリーズも外せないといいます。最新の「Major IV」の価格は18,880円でした。ブラックとブラウンがあり、シリーズを通してファッションアイテムとしての人気も根強いとのこと。
「スクウェアな形状が特徴的で、遠くからでもそれと分かるデザインが好まれていますね。最大80時間再生が可能というスタミナも評価が高いです」
6選:30年超のロングセラー、定番モニター「MDR-CD900ST」
ワイヤードタイプでまず挙げたのは、ソニーの「MDR-CD900ST」でした。1989年発売のプロ仕様のヘッドホンで、現在もモニター用として定評があります。取材時の価格は16,500円でした。
「日本のスタジオにほぼ確実に置いてあるモデルですね。パーツ単位で交換部品が流通しているので、ご自身で修理したりもできます。モニター用として外せないですね」
6選:ハイレゾ時代の定番モニター「MDR-M1ST」
モニターヘッドホンとして「MDR-CD900ST」に続く定番となっているのが、同じくソニーから2019年8月に登場した「MDR-M1ST」です。取材時の価格は30,610円でした。
「『The First Take』でもMDR-CD900STに次いでよく見かけるヘッドホンですね。制作環境や年代が変わるなかで、ハイレゾ時代に合わせて開発されたヘッドホンです。データの出し方によって音のバランスが変わったりするので、こちらを選ばれる方も多いですね」
6選:DJのモニター用として根強い支持を集める「HD 25」
ゼンハイザーの「HD 25」は、1988年の発売以来、モニターヘッドホンのなかでもDJ用として根強く支持されているといいます。取材時の価格は18,810円でした。
「普通のモニターヘッドホンに比べて低音が強く出るのがポイントですね。クラブは普通のライブハウスよりも低音が強く出るので、そのバランスに合ったものを使わないと意図通りの音が表現できないところがありますから」
6選:開放型のモニターで盤石の定番「MDR-MV1」
最後は開放型のモニターヘッドホンです。ソニーから2023年5月に登場した「MDR-MV1」も定番に挙げられるモデルといいます。取材時の価格は49,370円でした。
「ソニーのモニターヘッドホンとしては初の開放型ですね。立体音響を重視するクリエイターの方に支持されているほか、抜け感のよい爽やかな音になるので、音の広がりを楽しみたい人にも好まれています」
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら
(古田雄介)