BOSSが新たにリリースしたヘッドホンアンプ「KATANA:GO」がエレキギター愛好家に大好評!
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今週はデジタル楽器の注目製品を取り上げたいと思います。ローランドのBOSS(ボス)ブランドから発売されたBluetoothでスマートフォンにつながるギター/ベース用ヘッドホンアンプの「KATANA:GO」です。
今回筆者は本機をローランドからお借りして試しました。とても魅力的な製品なので自腹購入しましたが、不覚にもひと足出遅れてしまい3月23日の発売日にはゲットできず。現在入荷待ちの状態です。
KATANA:GOはギター/ベースを弾く方であれば誰でもすごく楽しめるデジタルガジェットだと思います。手軽だし、サウンドも本格派。公式サイトの直販価格は1万6500円です。こんな魅力的なデバイスが、この価格で買えるなんて笑いが止まりません。
筆者はギターは下手くそですが、唯一の趣味と言えるぐらいギターを弾くことは好きです。にも関わらず、数年前からギターを手にすることさえおろそかにしていたので、コロナ禍の頃に危機感を感じてヤマハのクラシックタイプのサイレントギターを買いました。
このサイレントギター、自宅で好きな時に練習ができてすごく良いのですが、やっぱりエレキをガツンと鳴らしたくなる時もあります。だからと言って近所のスタジオを予約して足を運ぶのもおっくうだよね……、と煮え切らない感じで過ごしていたところBOSSの「KATANA:GO」が発売されるという知らせが舞い降りました。
KATANA:GOはエレキギター/ベースのジャックに直挿しして使えるヘッドホンアンプです。5時間ぶっ続けで弾ける容量のバッテリーを内蔵していますが、USBで給電しながらでも使えます。
モバイルアプリでアンプやEQをかんたん設定
本体にはBluetooth機能が搭載されています。iOS/Android対応のモバイルアプリ「BOSS TONE STUDIO for KATANA:GO」を使ってサウンドをカスタマイズしたり、後述しますがスマホで再生したオーディオを本機で聴くことができます。
または別売りのツールですが、BOSSのワイヤレスフットスイッチ「FS-1-WL」、ワイヤレスMIDIエクスプレッション・ペダル「EV-1-WL」を接続するためのBluetooth機能でもあります。
KATANA:GOには3.5mmのヘッドホン端子が搭載されています。音楽制作用のスタジオモニターヘッドホンの多くは6.3mmのステレオ標準プラグのケーブルなので、接続に変換端子が必要になります。KATANA:GOが幅45×高さ24×奥行き125mmと、コンパクトサイズであることの方が大事なので致し方ありません。
KATANA:GOをざっと使ってみたファーストインプレッションを報告します。
何よりとてもリアルで力強く、筆者の愛機ギブソン「ES-335」の表情がわかるサウンドに大満足です。エレキは通常はアンプと対を成す楽器です。アンプのスピーカーで音を鳴らさないと楽しくないのですが、KATANA:GOとヘッドホンがあれば時間を忘れて弾きまくれます。ギターに寄りけりではありますが、アンプを通さない生音であればとても音量が小さいので、夜中に心おきなく弾いても近所迷惑にはなりません。
モバイルアプリを使わなくても、アンプに搭載するディスプレイの表示を見ながら本体の物理ボタンで大抵の設定ができてしまいます。チューナー機能はとても便利だし、豊かな音場の広がりを作り出す「STAGE FEEL」機能も遊び甲斐があります。
ただ、スマホアプリを上手に併用した方が、アンプの設定と60種類以上が揃うエフェクターのサウンドを掛け合わせたカスタマイズなどがもっと楽になると思います。
YouTubeを見ながら/聴きながら練習できる
そしてスマホアプリの大きな醍醐味が「セッション」の機能です。YouTubeなどURLのあるオンラインコンテンツをアプリから読み込んで、いわばバックトラックにしてギター/ベースの練習ができるのです。リピートを設定した箇所を繰り返し聴きながら練習したり、再生速度をゆっくりめに落とせる機能などもあります。KATANA:GOは筆者のようにバンド仲間がいない「ぼっちギタリスト」に最高のセッション環境を授けてくれます。
片手に心地よく収まるサイズのKATANA:GOには、驚くほど多彩な機能が搭載されています。筆者はまだその全容をつかみ切れていません。いったんレビューのためにお借りした製品をローランドに返却した後、購入した実機をまたじっくりと使い込んでみたいと思います。再びギターを弾くことにのめり込めそうです。
今回はKATANA:GOによる試奏のため、ゼンハイザーが発売したスタジオモニターヘッドホン「HD 490 PRO」を組み合わせてみました。付属する専用ケーブルが3.5mmステレオミニジャック仕様なので、変換アダプターを使わなくてもKATANA:GOに直結できてよいです。
次回は本機を取り上げながら、楽器の演奏・練習用に最適なスタジオモニターヘッドホンの選び方を解説してみたいと思います。